宅建士への名称変更に伴い、宅建は確実に地位向上が目指されています

ところで、「宅建」といえばこれまでは「大学生がとりあえず取得する易しめの資格」「不動産会社の新入社員が強制的に受験させられる資格」等と言われ、数ある国家資格の中では比較的誰でも狙いやすい資格の代名詞として挙げられることが多かったように思います。
しかしながら、「宅建士」としてリニューアルを遂げた今、宅建に対するイメージは着実に変わりつつあるのです。

「宅建士」となり、その実用性・将来性は確実に広がりをみせる兆し

「宅建士」への変更に伴い、宅建業法には以下の条文が新規に追加されました。

  • 宅地建物取引士は公正かつ確実に宅建業法に定める事務を行うとともに宅建業法に関する業務に従事する者との連携に努めなければならない
  • 取引士は常に公正な立場を保持して、業務に誠実に従事することで紛争などを防止する必要がある
  • 取引士が中心となってリフォーム会社、瑕疵保険会社、金融機関などの宅地建物取引業に関する業務に従事する者との連携を図り、宅地及び建物の円滑な取引の遂行を図る必要がある
  • 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用または品位を害するような行為をしてはならない
  • 宅地建物取引士の職責に反し、または職責の遂行に著しく悪影響を及ぼすような行為で、宅建士としての職業倫理に反するような行為は禁止(信用失墜行為の禁止)
    ※信用失墜行為の禁止は職務として行われるものに限らず、職務に関係しない行為や私的な行為も含む
  • 宅建取引士は、宅地または建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない
  • 宅建取引士の登録欠格について、「暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者」は取引士の登録を受けることができない。もし、これに該当することになった場合は、本人が30日以内に届出が必要
  • 宅建業者の免許欠格について、法人の場合、「役員・政令で定める使用人」が暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者である場合、宅建業者免許の欠格となる
    個人の場合、「本人(未成年の場合はその法定代理人)・政令定める使用人」が暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者である場合、宅建業者免許の欠格となる
    ※暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者が事業活動を支配するものである場合も欠格の対象となる
  • 宅地建物取引士証の再交付を申請する者は、都道府県が条例で手数料を定めている場合、その手数料を納めなければならない
  • 取引士証の提示に当たって、重要事項説明の際は請求がなくても提示しなければならず、取引の関係者の請求があったときは取引主任者証を提示しなければならない。この場合、住所欄にシールを貼ったうえで提示しても差し支えない
  • 宅建業者は、その従業者(社員やパート等)に対し、登録講習をはじめ各種研修などに参加させ、または研修などの開催により、必要な教育を行うよう努めるものとする

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO176.html

キーワードは「信頼性」「知識、能力の向上」。
新たに追加された規定は、いずれも宅建士の地位向上を目指す趣旨のものばかりです。

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もちろん、一つひとつの内容を見れば決して改めて法改正をして明記すべきことではなく、真っ当な宅建業者であれば当たり前にクリアしているポイントばかりであることは言うまでもありません。
ですが、こうしてあえて法律条文として正式に規定したという点に、この資格が目指すべき方向性、宅建士として見据えるべき将来性を垣間見ることができるのではないでしょうか。

27年度改正を受け、実務の現場では宅建士の地位、存在意義がより一層確固たるものになるはずです。
宅建士試験はもはや「何となく」で合格できる資格ではなく、高い志をもって臨むべき資格となることは言うまでもありません。